【弱さを見せあえる組織は強くなる? こっからグローバル・ワークショップ第二弾レポート!】







みなさんこんにちは!
インドネシアはバリから、キミハルです。


今回は、先日アメリカ・シリコンバレーを舞台に行った
グローバルワークショップの様子をお伝えします!

前回サンディエゴ・ワークショップに続く
こっから第二弾のグローバル・セッション。

パートナーは前回に引き続きこの男。
大阪和泉が生んだスーパースター、すみけんです。


(「シリコンバレーで本気出す」顔)

二回目のジンクス等頭をよぎるなか、
入念な事前準備と各参加者への個別インタビューを終えます。

「今回はどんな旅になるんだろう、、、」
そわそわ・わくわくを胸に、新たな旅の始まりです

今回の組織はシリコンバレーにある開発会社。
日本人社長と多くのアメリカ人メンバーを抱える中、
東京本社の指示を受け、
経営方針の大きな転換を迎えている組織です。

それに伴って行われた会社のダウンサイズ。
会社の前向きな変化のために行われた解雇ですが
昨日まで横で働いていた人達が去っていく光景は、
残された者に不安と恐怖、不信感をもたらします。

口々に聞こえてくるのは
 「方針がない」
 「ビジョンがない」

自らの仕事を守るという防衛本能は、
保身のための組織政治をもたらし、
皆が一枚岩になることを妨げます。

「誰々が問題だ」
「何々が問題だ」
「トップが悪い」

不信感の中で、
自分以外の「誰か」や「何か」に矛先が向く。
分析し、評論し、一般化し、とられるべき解決策を述べる。



本当は会社をより良くしたいのに、
本当は信頼し合って協力したいのに、
連携が生まれない。

今回僕達が出会った組織は、
とても痛んでいました。

そんな中、起点となったのは、トップの声。
2日目のことでした。

「自分は一人で苦しんでいました。
なんでも一人でやろうとして、
周囲を自分の価値観で見ることをやめませんでした。
皆のことをよく知ろうとしていませんでした。
そして自分のことを知ってもらう努力もしていなかった。
申し訳ありませんでした。
自分から変えていきたい。
自分一人では多くをなし得ないことがよくわかった。
みなさん、わたしを助けてください。」

自らを深く内省し、悲痛にも弱さを開示する姿は、
本当に勇敢で、心うたれる響きを場に放ちます。

周りの反応は二つ。

一つはトップの自己開示に感謝し、それに寄り添おうとする声。
自らの恐れも吐き出し、助けたいと願う声。

一方で聞こえてくるのは、
「やはりそうか」「あなたの欠点をようやく認めてくれて何より」
と他者を引き続き非難する声。

このまま「トップの責任」でことを済ませても、
何かが大きく変わる可能性は低い。

ファシリテーターであるすみけんと僕は、
こんなメッセージを渡しました。

「この2日間、様々な課題が浮き彫りになりました。
皆さんの頭に、色んな原因や解決策が浮かんでいることと思います。
でも、誰かや何かのせいにして
納得することはとても簡単です。
問題と自分を切り離して、
「解決してあげよう」とすることもできます。
でもそれでは、本当の変化はなかなか起きません。
組織という卵を外から叩いて変化を生み出そうとしても、
中の雛鳥は死んでしまいます。
皆さんぜひ、この問題を生み出している仕組みに、
「自分も加担しているかもしれない」
そんな立場にたって、一度考えてみませんか。
せっかくの機会ですから、
自分が問題を作り出しているかもしれない
というところに立って、自分の中を覗いてみませんか。」

そして皆で内省する。

だれかがつぶやく。
「トップのAさんが就任された時、
私は、彼のことを絶対にあきらめないと誓いました。
絶対に良いリーダーになってくれると信じたから。
そのために色んな工夫で努力してきた。
でも今、こんな状況になってしまって。
本当に申し訳なく思います。
自分はもうすぐ去るけれど、
お願いだから、Aさんをあきらめないでほしいです」
そうつぶやく目からは、次々と涙が溢れます。

場は深まりつつある。
すみけんと僕はそう感じながら、ワークショップを進めます。

そしてビジョンを描く。

「皆さん自身にとって、
チームにとって、
そして会社にとって、
本当に成し遂げたい、理想の姿は何でしょう?
色々思う現実はあるかもしれません。
でもここでは発想のリミッターを外して、
ぜひ思いっきり描いてみてください。」

半信半疑の様子でペンを取る大人の参加者たち。

しかし場はここで大きく変容し始めます。

「いきいきした会社」
「新たなマーケットで新たなビジネスが生まれている!」
「部署間の連携」
「本社を引っ張る根幹技術を生み出している」
「前向きな文化が生まれている!」
「社会になくてはならない会社になっている」
「チャンスが多くてみんな大疲れ!」

これまでとは一転、
明るい笑顔が灯り、場にエネルギーが溢れます。

「ビジョンがないと言っていたのに、
わたし達にはこんなに共通したビジョンがあるじゃないか!」

だれかが力強くそう発言します。
前向きなエネルギーの中で、
皆がその瞬間を噛み締めているように感じます。

「自分が問題を作り出していたかもしれない」
「自分にできることは何でも差し出したい」
「今までこの組織のことを、上から、他人事のようにしか見ていなかったとわかった」

場から溢れる言葉の質も変わってきます。

最後は、
一人一人のネクスト・アクションを宣言する時間。

「もう自分のビジョンを推し進めることを恐れない」
「どうせできない、と思うことをやめる」
「自分と対話する」
「アドバイスせずにじっくり耳を傾ける」
「自分から、周りを信頼する」
「この3日間、本当にエンパワメントされました」

もう、いけるんじゃないか。
会社はこのまま、少しずつ、変わっていけるんじゃないか。

3日間のグローバル・ワークショップは、
そんな風に思わせてくれるエンディングを迎えることができました。

もちろん、何かを具体的に解決したわけではありません。
会社として決めないといけないことはまだまだ山積み。
それでも、トップを含む参加者の晴れやかな顔を見ると、
そう感じずにはいられないのです。

「僕達は何もしていません。
この3日間で、何かが生まれたとしたら、それは皆さんの力です」

すみけんが、あほみたいな顔で最後に話した言葉。
とにかく全力を尽くし、くたくたになった3日間。
一方で「自分達は何もしていない」という素直で心地よい感覚。

それでも僕達は、今後もでき得る限り、
人や組織に関わり続け、そしてそれらが痛んでいるときには、
今回のように、寄り添い続けたいと願うわけです。

そんな貴重な機会を下さった関係者の皆様には、
ただただ感謝の気持ちしかありません。
そして、今回の会社が、近い未来、笑い声溢れるイキイキした組織に
変容していくことを心から意図して。


次回はゆーし、よろしく!


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