【運転免許と内省のおはなし】



みなさんこんにちは、キミハルです。

秋が少しずつ深まってきましたね。
食事に芸術、紅葉・行楽、最高の季節の到来です。

車なんかあるといいですよね。
恋人や家族と、近場の山になんかに出かけたりして。
ドライブ中は正対しないので、会話も弾むわけですね。
バーカウンターに座るのと同じ効果ですね。

でも残念ながら今の僕はそれが叶いません。
なぜなら

免許がないからです。

いやほんとに。

日本では成人の7割以上が持つ普通免許が僕にはありません。

先日メンターを務めたある企業の研修で
同世代の参加者に「いやー免許ないんだよねーはははー」
と冗談交じりで話したところ、
おもいっきり引きつった顔で
「本当ですか...?」と事実確認されました。

免許ないだけでこれだけ会話の空気を乱すんだなぁと
その破壊力を知る今日この頃ですが、

一応断っておくと、
免許はないけど運転技術はあります。

アメリカ・イスラエルでの勤務6年は、
現地取得の免許で毎日車通勤だったのです。

それを日本で切り替え損ねてこの始末。
免許なし生活がしばらく続いております。

しかしそろそろ。
免許の1枚や2枚でもとって、
車の1台や2台でも転がしてやろうかと。
一念発起したわけですね。
そう。
かつてのプロボクサーがまた現役復帰を目指そうかという感覚。
筆を置いた画家がまたキャンバスに向かう感覚。
たぶんこんな感じです。知らんけど。

とはいえ自動車教習所に通うのはもうアホらしい。
すでにバリバリ運転できるのに、
「はい、ブレーキはですね~」
とか習うのもちょっと回りくどい。

というわけでいわゆる
「一発免許」の道を歩み始めたわけです。
教習所に通わず、
仮免筆記→仮免技能→本免許筆記→本免許技能
ぶっつけ本番の修羅場を4回自力で潜り抜けた者だけが
到達できる栄光の免許です。法的効果は同じです。

そんなわけで、ほとんど知らない日本の交通ルールを勉強するため
問題集を買って自分で勉強。人生久々のテストですね。
意外にも意外なほど緊張します。
成人の7割以上持ってるのに。いけんのか俺と。
しかしここは難なくクリア。一発です。
そしてこれがなかなかどうして、嬉しい。
成人の7割以上持ってるのに。
というか俺はまだ持ててないのに。
もう少しで「俺仮免の筆記受かったで!」
と弊社メンバーに自慢しそうになったほどです。

というわけで技能試験。
これはもう。
6年運転してきてるから。大丈夫です。
決められた短いコースを走るだけ。余裕です。
しかし気を抜いてはいけません。
一応試験ですから。
わかりやすく安全確認はさんで、丁寧にハンドル切って、
アクセル・ブレーキも緩やかに。S字もクランクも完璧。

「はい、いいですよ~、スタート位置で停車してください」
試験官(警察の人)が穏やかに終了を告げます。

これは完璧。
もはやこの時点で本免くれてもいいレベル。
充実感を感じながら、
意気揚々と車を降り、
ドアを閉め、足取り軽く試験官の元に駆けつけます。

落ちました。

え?うそん?

120%の動揺を150%の強がりで平静に変えます。
舞台裏はパニック状態。

そして
「いや~、あなたね」
から始まったその試験官の指摘は

・そんなわざとらしく安全確認しても別に印象はよくならないから。
・勘違いしてるかもしれないけど・・・。
・本当に安全確認してるならさ・・・。
・僕たちの心証良くしたいならさ・・・。

めちゃくちゃ辛辣。
あまり具体的な指摘はないのに。
言葉の力ってすごい。言葉の武器庫。
こっちは丸腰で奇襲かけられたレベル。

そんな試験官のことを思い出しながら
試験場を出るのですが、

当然、怒りと悔しさでいっぱいになるわけです。
「なんでそんな言い方されなあかんねん」と。
「海外で運転してたやつ気に食わないから落としたいだけやん」と。
敵意さえ覚えちゃうわけですね。

しかしこれは本当に浅い防衛反応です。
起きた出来事(免許に落ちた、相手に辛辣な言葉かけられた)に
そのまま反応的に思考をめぐらせ、相手のせいにし、
「自分は悪くないから」と潜在意識で楽をするための
自分の防衛反応。感情と思考に飲まれている状態です。

そんな自分に気づくと、
帰りの電車の中でなんとなく、
自分の行動とその根底にあるあり方を振り返ります。
「この現実(試験官が嫌味を言ってくる、試験に落ちる)を
作り出しているのは自分のあり方だとしたら、一体何があるだろう」
「運転技術」といったやり方以外に、
これを引き起こしてる自分のあり方があるとしたら。。。

「確かに、あったなぁ」

と思い至ります。

「どうせ、丁寧にやるのが正解なんでしょ?」
「わかりやすく安全確認してたら、そういうの好きでしょ?」
「大丈夫、余裕」

そんな自分のあり方。
確かにあったし、
そんなやつが現れたら、自分でも反応しちゃうなぁと。
仮にパフォーマンスが同じだったとしても、面白くないよな。

そんな自分に気づくと、
相手への怒りや負の感情が、
す~~っと溶けていくのにも気づきます。

そして、
あー、、、やっぱ免許ほしいなぁ。
家族でドライブとか行きたい。
と、自分の純粋な願いに改めて繋がります。

そうすると、
「うん、次もがんばろ」
と前向きに感じられたりするわけです。

運転免許と内省のお話。

こんな内なる動きが日々起こるのが、僕たちの日常です。

ちなみにでいうと、
これは別に正解じゃなくても良いのがポイントです。
たとえば本当に悪意のある試験官?がいるかもしれない。
でも、自分のあり方に自覚的になって、自分の見ている世界を自覚すること。
自分の本当の願いにつながって生きること。
それは結局自己から始まるもので、
そこから始まる世界にも、そんな自分の願いは現実になって現れる。
そう信じて僕らは日々活動しています。

全てはこっから。
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